新しい時代への備え…
令和6年度 九社連老人福祉施設協議会施設長研修会
施設長と施設統括責任者にての研修受講でした。
一日目のオープニングアトラクションではピチカート・スティール・バンド(ドラム缶で出来た楽器)の演奏で出迎えられました。
全国老施協会長の話では、先ずは生産性の向上についての取組は各地域性があるので法人独自のものを作り上げていかなければいけないという話がありました。また、物価高騰の勢いにより、現在の特養の食費の設定にも問題あり、今後、協議会としても国に要望していくとの事でした。これからの施設運営については縮小か合併かといった先を見越した運営を余儀なくされていくとの話もあり、人材不足、物価高騰、災害への備えなど様々な困難な状況をクリアしていかなければならないといった厳しいお話もありました。大山会長としては経費や養護に対しても処遇改善を勝ち取ったことについては自負されておられました。最後に全国老施協版介護ICT導入ガイドラインの紹介もあったので確認していきたいと思います。
次に厚生労働省 老健局高齢者支援課課長補佐の板野氏のお話でありました。やはりここでも介護人材の今後の不足の予想から生産性向上についての説明に時間をかけておられました。また、現在、当法人でも取り組んでいる介護テクノロジーについての説明や導入事業の説明等もありました。
一日目の最後は俳優の石丸謙二郎氏によるお話がありました。「さあ、明日、何します?」というテーマでご自身が好きな山登りから絵を描くに様になったり、スキーやスノーボードといった事を60代になってから始めたなどの前向きなお話がありました。人間やる気になればといった前向き思考の話であり、最後はご自身がスイスのマッターホルンに登頂した時のお話をされたあと、動画を見させていただきました。とても過酷な登山に挑戦され感動したシーンは心に響くものがありました。
二日目に入り、生産性向上セミナーといった形で斎藤陽氏の講演の後に、3施設の事例発表がありました。当法人も取り組んでいかなければいけない生産性向上への取組や委員会の立ち上げ方などのヒントを頂きました。しかし、これについしても一度行ったら終わりではなく、PDCAサイクルによる見直しを随時行っていかないといけないとの事で、最初は熱量があっても段々と落ちていく事もあり、そこについてもしっかりとしていく事が大切である様子でした。蒼水園で生産性向上への取組をする際にはまずは施設長を始めとする経営側の方針をしっかりと示して、職員にどのような施設にしていきたいことを伝え、そこに向かって生産性向上への取組をしていく事が大切であるようです。生産性向上というと効率を上げるといった印象になりますが、介護における生産性向上とは介護の価値を高めることにあるとの事でする。
特に印象に残ったのは福岡県の第二津屋崎園の事例でのお話でした。まずは介護職員との不安や不満とのかかわり方についてですが、まさに当法人でも今現在、事例と同じような事が起こっていると感じました。いくら採用しても離職が増えてしまっては結果的にbut cycles(何も思わない→言わない→やらない→考えない→)となってしまう。ワンオペ介護になっている状況についてもコミュニケーション不作やお互いの介護技術に触れあうことなく我流が生まれたり個人差を生んでしまっている事になることを確認しました。まずは全体で目的意識を明確化して可視化して共有するという流れを作らなければならない事を学びました。その為に介護テクノロジーも有効活用してサービスの質を上げていく。それぞれ職員の利用者がよくなっていく事への成功体験を重ねていく事こそが生産性向上への取組だと改めて感じたところです。
当法人でも今年度は様々な介護ロボットやICTの導入を致しております。その活用方法と現場からの声を聴きとって有効活用して、時間的な余裕が生まれれば職員間のコミュニケーションや教育の場を増やしていけるのではないかと考えました。生産性向上への取組についしてはそう簡単ではありませんが、チーム蒼水園で取り組んでいく事が大切です。今回の研修を生かして蒼水園は進化へ向けて進みます。